Thunderbird 3 のまとめ

Thunderbird 3 のインストール状況と構成

Last update: 2010-01-19

Thunderbird 3.0 がリリースされてから時間が経過してしまったため、いささか旬を外してしまった感ありですが、Nightly のころから溜めていた記録をまとめてみました。

Thunderbird 2.x から Thunderbird 3.0 へのアップデート

まず、Thunderbird 2.x から Thunderbird 3.0 にアップデートは、基本的には引き継ぎ可能なはずなのだが、成功か否かは Thunderbird 2.x の使用状況次第だと思う。
カスタマイズの度合いやインストールした拡張機能の互換性によっては問題が起こる場合もあるし、受信トレイに多くのメールを溜めているなど、運用状況によっては正常に引き継げない場合も考えられる。なので、Thunderbird 3.0 へのアップデートを実行する前には必ずプロファイルのバックアップを取ってから実行するか、新規プロファイルで運用を始めることをお勧めする。

Thunderbird 3.0 のインストール構成

基本構成は下記の5つ。なので、Thunderbird 3.0 を完全にアンインストールする場合は、これらを削除すれば良い。
ここでは Thunderbird 3.0 の基本的な構成だけを書いている。各フォルダにはサブフォルダが保管されるが、それは後の方で説明する。

基本構成

1. Thunderbird.app
Thunderbird 本体。普通にインストールした場合はアプリケーションフォルダにインストールされる。
Type アプリケーション
Install Path /Applications
2. {3550f703-e582-4d05-9a08-453d09bdfdc6}
システムにログインするユーザ共通で使用されるディレクトリ。
上位の Extensions に加え、それを含む Mozilla フォルダは Firefox 3 も使用するため、Thunderbird 3.0 専用というわけでは無い。
複数のログインユーザが Thunderbird を使用している場合は削除しなくてもよい。
Type フォルダ
Install Path /Library/Mozilla/Extensions
3. {3550f703-e582-4d05-9a08-453d09bdfdc6}
ユーザのホームの Library に生成されれ、ログインユーザの Thunderbird が使用する。
(2) の同名フォルダとは別のもの。
Type フォルダ
Install Path ユーザのホーム/Library/Extensions/Mozilla
4. org.mozilla.thunderbird.plist
Thunderbird 3.0 の初期設定ファイル。
異なるバージョンの Thunderbird をインストールしていても共通で使用される。
アプリケーションに不具合がある場合に削除したりするのだが、Thunderbird の不具合ではプロファイルの問題が多いため、これを削除するケースには遭遇したことは無い。
Type 書類
Install Path ユーザのホーム/Library/Preferences
5. Thunderbird (Cache)
Thunderbird のキャッシュを、プロファイルごとに保管する。
フォルダ内には (ランダムな8文字.xxxxx) の様な名称のフォルダが生成されるが、これはユーザのプロファイルを収める (6) 以下の同名フォルダと対になっている。
Type フォルダ
Install Path ユーザのホーム/Library/Chaches
6. Thunderbird (Profiles)
ユーザが使用中の Thunderbird のプロファイルを保管するフォルダ。
フォルダ内には (ランダムな8文字.xxxxx) の様な名称のフォルダが生成されるが、これは (5) で説明した同名フォルダと対になっている。
通常、Thunderbird のバックアップを取るというのは、このフォルダ、または直下に生成されるプロファイルフォルダのことを指す。
Type フォルダ
Install Path ユーザのホーム/Library

以上6つが Thunderbird の基本構成となる。これらの中でユーザにとって最も重要なものはメールアカウントを含む (6) の Thunderbird (Profiles)フォルダだ。
Thunderbird を運用中に問題が発生する場合は、各設定や送受信メールなどを保管するプロファイル内に問題が起こるケースがほとんど。Thunderbird 本体 )Thunderbird.app) が壊れることはまず無い。よって、Thunderbird を利用する場合に最も注意しておくものはプロファイルや Profiles だ。

ユーザの設定によって存在するフォルダ

Thunderbird 3.0 では Mac OS X の Spotlight との連携が可能になり、アカウント作成時や環境設定の詳細から一般タブで「Spotlight によるメッセージの検索を許可する」にチェックを入れることで機能する。
で、このオプションを利用した場合、Spotlight が収集した Thunderbird のメタデータを格納するフォルダが生成される。これは Thunderbird 3.0 の構成とは少し違うかもしれないが、関連するものとして書いておく。

Type フォルダ
Install Path ユーザのホーム/Library/Caches/Metadata/Thunderbird

なお、メタデータはメール容量によっては結構なサイズに膨れ上がる。また Spotlight による検索に不具合がある場合はメタデータを消すのだが、それは Thunderbird ではなく Mac OS X 側よりメンテナンスを行う。

関連するらしいフォルダ

実際にファイルが生成されている現場を見ていないが、Thunderbird 3.0 は TemporaryItems というフォルダも関連するようだ。
これは Flash Player Plugin などがテンポラリアイテムを置くフォルダだ。Firefox では YouTube などのコンテンツを再生すると plugtemp というフォルダを生成する。Thunderbird の利用でここにテンポラリアイテムができる条件は知らないが、関連するものとして加えておく。
ちなみに、Firefox が Flash 関連サイトでクラッシュする問題では、plugtemp が終了時に削除されないことが原因となる場合がある。Thunderbird で Flash コンテンツというのもあり得ないと思うが、メディアに関連したクラッシュが起こる場合はチェックした方がよいかもしれない。

Type フォルダ
Install Path ユーザのホーム/Library/Caches/TemporaryItems

プロファイルのための Thunderbird フォルダ

ユーザのホーム/Library 下の Thunderbird フォルダは、ログインユーザの Thunderbird が使用するプロファイルを保管する Profiles フォルダと Thunderbird の情報が記述された2つの書類を含む。

1. Application Registry

Thunderbird 初回起動時に自動生成され、アプリケーションについての情報(識別 ID のユニークナンバー)が記述される。

2. profiles.ini

プロファイルの場所と名前、起動時に使用するプロファイルを記録したファイル。
Thunderbird は起動時にこのファイルを読み込み、最後に使用したプロファイルを探し出して起動する仕組みになっている。(デフォルトでは)

profiles.ini には次の内容が書き込まれている。サンプルは通常インストールでプロファイルが一つの場合。

[General]
StartWithLastProfile=1
[Profile0]
Name=default
IsRelative=1
Path=Profiles/xxxxxxxx.default
Default=1

それぞれの内容は次のようになっている

StartWithLastProfile=1
=1 は最後に使ったプロファイルで起動するという設定。
=0 に書き換えた場合は Thunderbird を起動するとプロファイルマネージャが起動する。
Name=default
ユーザアカウント名
=default は自動的に生成される名前。独自にアカウントを作成した場合はその名前が反映される。
IsRelative=1
プロファイルの Path が絶対パスまたは相対パスなのかの指定を示すフラグ
=1 は相対パスを示している
Path=Profiles/xxxxxxxx.default
Path= はプロファイルのパスのこと
Profiles/xxxxxxxx.default は「Profiles フォルダの中の xxxxxxxx.default フォルダ」という意味

このファイルはテキストエディタで開き、直接編集することも可能だが、文字エンコードや書式を崩さないようにしなければならない。
編集する場面としては、プロファイルフォルダを標準の場所以外、例えば他のパーティションやドライブに手動で置くようなケースだろう。
詳しくは Mozilla Thunderbird Help: 既存のプロファイルの移動とバックアップしたプロファイルの復元 を参照していただきたい。

3. Profiles

Thunderbird のプロファイルをまとめて保管するディレクトリ。この中に生成されるプロファイルフォルダに Thunderbird の設定やメール、インストールした拡張機能などが収納される。詳しくは次の項目で:

プロファイル・フォルダ (xxxxx.default)

プロファイル・フォルダは、あなたが使用するメールアカウントなどの設定を含むフォルダのこと。簡単に言うと Thunderbird で設定したこと、受信したメール、アドレス帳、インストールした拡張機能などは全てこの中にある。
初めて Thunderbird を起動した場合、プロファイルはランダムな英数文字の xxxxx.default のような名前で自動生成され、この中には設定のための各ファイルとフォルダを内包する。このプロファイルはプロファイルマネージャを使用することでいくつでも追加することができる。
プロファイルは Thunderbird の最も重要かつ最もトラブルの原因となる。Thunderbird のプロファイルの損傷によるデータ損失のダメージは Firefox のそれに比べれば遥かに大きい。定期的なデータのバックアップやメインテナンスを含め、このプロファイルフォルダの場所は覚えておいた方がよい。

ヒント:
プロファイルフォルダへの簡単なアクセス方法は、プロファイルフォルダや Profiles フォルダをドックに登録する。これでクリック1つで呼び出すことができる。

プロファイル・フォルダ内に生成されるもの

新規プロファイルで初期起動からメールアカウントだけを設定したプロファイルをサンプルにする。ここでは拡張機能や各種 userChrome などは追加していない。また運用中に収集したアドレスデータの history.mab も含めていないので注意されたい。

Name Description
abook.mab 個人アドレスブック。アドレス帳に追加を行なうと、ここに記録される。
blocklist.xml ユーザに害を及ぼす可能性のあるアドオンのインストールをブロックするためのリスト。デフォルトでは有効になっていて、日に一度 Mozilla サイトから最新のリストをダウンロードするようになっている。
cert8.db SSL証明書のデータベースファイル。
compatibility.ini 互換性を判断するビルドIDなどの設定ファイル。
compreg.dat アプリケーションのコンポーネントフォルダと拡張機能フォルダ、そしてプロファイルの拡張機能フォルダにインストールされたコンポーネントの登録キャッシュ。
cookies.sqlite Thunderbird$nbsp;3 で追加されたファイル。
保存したクッキーのデータベースファイル。
extensions インストールした Extensions (機能拡張やテーマ)のコンポーネントを格納するフォルダ。
extensions.cache インストールされた拡張機能のキャッシュファイル。
extensions.ini ロケーションに在るすべての拡張機能とテーマ用のフォルダをリストアップしし、プロファイルを最後に起動したアプリケーションのバージョン情報(ビルド情報)を保持するファイル。
extensions.rdf インストールされるすべての拡張機能をリストアップしている XML/RDF データーソース
folderTree.json Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。今のところ mozillaZine Knowledge Base にも掲載されていないので、詳細が分かれば追記します。
global-messages-db.sqlite Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。今のところ mozillaZine Knowledge Base にも掲載されていないので、詳細が分かれば追記します。
key3.db 証明書マネージャのデータファイル。マスターパスワードはここに記録される。
(*) ImapMail IMAP アカウントを設定している場合には存在する、IMAP アカウントフォルダ。
localstore.rdf デフォルトウィンドウの設定 - ツールバーの状態、ウィンドウのサイズ、位置など、持続性の情報が保存される。
mail メールアカウントを保管するフォルダ。この中には登録したメールアカウントの数だけフォルダが生成され、その中に各アカウントのメールデータが格納される。
mailViews.dat Viewの設定項目が保存される。デフォルトでは組み込みの"People I Know"、"Recent Mail"、"Last 5 Days"、"Not Junk"が登録されていて、ユーザが登録したものもここに登録される。
mimeTypes.rdf ヘルパーアプリケーションのために認識できるファイルの MIME タイプを定義する。ダウンロードしたファイルをどのような動作で実行するか記述している。手動での編集は可能ではあるが、この機能は環境設定>添付ファイル>添付ファイルを開く時の動作設定に用意された〈動作設定の表示と変更...〉を使用して追加するべきである。
minidumps Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。
クラッシュレポートで使用される、ミニダンプの保存フォルダ。この中にミニダンプファイルを保存する条件は Environment variables affecting crash reporting - MDC に書かれている。
panacea.dat メールフォルダのキャッシュ。フォルダペインの表示情報などが格納されている。
permissions.sqlite Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。
アドオンのインストール許可、画像の読み込み許可、ポップアップの制御、クッキーの例外サイトなどをホスト単位で記録する SQLite データベース。
pluginreg.dat Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。
システムにインストールされているプラグインの中で、Thunderbird が利用可能なものが書き込まれるデータファイル。
prefs.js Thunderbird の設定を保存する JavaScript で記述されたファイル。このファイルを直接編集してはいけない
secmod.db セキュリティモジュールデータベースファイル。関連ファイルは cert8.db, key3.db
session.json Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。
セッションリストア機能に関連するファイル。
signons.sqlite Thunderbird 3.0 で追加されたファイル。
保存した ID やパスワードを記録し、暗号化される。key3.db を扱うために必要。
virtualFolders.dat 検索フォルダの設定情報を記述したファイル。設定を追加するたびに更新される。
xpti.dat XPCOMインターフェースに関するリスト。XPCOMが新たに書き加えられた場合は更新される。

メールデータ

ユーザのメールデータは ImapMail フォルダもしくは Mail フォルダ内に保存される。
IImapMail フォルダは名称から分ると思うが、IMAP アカウントを設定した場合にプロファイル内に生成される。IMAP アカウントを設定していない場合はプロファイルフォルダ内に存在しない。他方、Mail フォルダは POP アカウントで使用されるが、POP アカウントを設定しなくても存在する。これは顔馴染の Local Folders と Thunderbird 3.0 の新機能であるスマートフォルダが使用するからである。

メールデータは、拡張子の無いファイルとその管理情報を記録した要約ファイルの「.msf」とセットになっている。受信トレイを例にすると、メール本体の「Inbox」と「Inbox.msf」が一組といった具合だ。

さらに、フォルダ中にサブフォルダを作ると「.sbd」というフォルダが作られ、この中には先と同じ2組のメールファイルが格納される。下のサンプルは受信トレイに Support というサブフォルダを作った場合の受信トレイの構成。受信トレイにサブフォルダを作るのはお勧めできまないので、真似をしないように。

  • Inbox (受信トレイのメールデータ)
  • Inbox.msf (受信トレイの管理情報を記録した要約ファイル)
  • Inbox.sbd (Inbox 内に作ったサブフォルダ}
    • Support(Support フォルダ内のメールデータ)
    • Support.msf(Support フォルダの管理情報を記録した要約ファイル)

ImapMail (IMAP アカウントフォルダ)

標準では存在せず IMAP アカウントを追加した場合に生成される。
このフォルダ下には追加した IMAP アカウントのフォルダが [imap.googlemail.com] の様な名称でアカウントの数だけ生成される。加えてアカウントフォルダの要約ファイル (アカウント名).msf も生成される。
アカウントフォルダの中には INBOX, INBOX.msf といったように、メールデータと要約ファイルが対になって作られる。

Mail (デフォルトと POP アカウントフォルダ)

このフォルダは POP アカウントに利用されるが、Thunderbird では顔馴染の Local Folder に加え Thunderbird 3.0 の新しい機能であるスマートフォルダが利用する smart mailboxes というフォルダも作られるようになったため、POP アカウントを設定していなくても標準で生成される。

Local Folders

Local Folders は標準で用意される特殊なフォルダで、このフォルダをメールアカウント全体の共通保管フォルダとして使用することもできる。特に必要でなければ使用しないくても構わない。
その他の使い方として、他のコンピュータで使用していたメールデータや Mail.app からのインポートする時のテンポラリフォルダとしても利用できる。

メールアカウント・フォルダ

これはメールアカウントを追加する度に生成され、フォルダ名称は通常 mail.hogehoge.com や pop.hogehoge.co.jp のような名前が付けられる。メールアカウントフォルダに内包されるファイルはメールデータと要約ファイルの対で生成され、例えば inbox と inbox.msf という様な組み合わせとなる。
なお、Thunderbird 2.x では popstate.dat という pop サーバーの受信設定を記録するデータファイルが存在したが Thunderbird 3.0 では使われなくなったため、新規プロファイルで運用を始めた場合は存在しない。

メールのトラブル

メ−ルトラブルの原因はいろいろな原因があるが、まずはトラブルが起きないように予防することが大切だ。運用上で気をつけるのは次の辺り。

受信トレイ (Inbox) にメールを溜めない
受信トレイはメールを受信する度に情報が書き換えられる。そのため、受信トレイに多くのメールを保存しているとデータ破壊の原因になる場合がある。
トラブルを避けるためには、受信後に整理保存するためのフォルダを用意し、適宜そのフォルダにメールを移動すること。また不要メールを削除してもフォルダの最適化を行うまで情報が居残るため、実際のフォルダサイズは小さくならない。これは下で説明するフォルダの最適化を定期的に行うようにしたい。
受信トレイ (Inbox) の中にサブフォルダを作らないこと
理由は上と同じこと。
「フォルダの最適化」を定期的に実行すること
Thunderbird の仕組み上、受信トレイなどのフォルダから別のフォルダにメールを移動しても、.msf には移動記録が残るため、.msf は肥大化してしまう。これを最適化することが「フォルダの最適化」
環境設定の詳細→ネットワークとディスク領域で「ディスク領域」のところにチェックを入れて置くと予防になる(サイズはデフォルトで構わない)
定期的なバックアップを行なうこと
毎日のバックアップを心がけるくらい、自分の大切なデータを保護する方法はない。
フォルダ内のメールが消えた
MozillaZine.jp フォーラムもじら組フォーラムに寄せられる質問に見られるこの現象の多くは .msf が付く要約ファイルの不具合から、データを表示できなくなっているケースが多い。ただ、そうでない場合もあるので、このトラブルに遭遇した場合は、まずプロファイルのバックアップを取ってから、次の手順を試してみる。
  1. 表示できないフォルダを選択して右クリック (option+クリック) のコンテキストメニューから「最適化」を実行
  2. 解消しない場合は Thunderbird を終了した上でプロファイルフォルダの中の Mail フォルダからアカウントフォルダを Finder に表示し、問題が起きているフォルダ名.msf ファイルをデスクトップに移動して Thunderbird を起動する。

その他にも気をつけておくことはあるが、とにかく定期的なバックアップを行い、メールデータだけも救い出せるようにしておくことが大切だと思う。

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